インデックス投資においては、どの指標への連動を目指すのかが最も重要です。せっかく選んだ指標がいつまでも上昇しなかったら意味がありません。
今回は、日本株の代表的な指標である日経平均株価とTOPIXについてそれぞれご紹介していきたいと思います。
(*) 日経平均は2021年2月26日時点、TOPIXは2020年3月31日時点のデータ
インデックス投資っていいの?そもそもインデックス投資って何?と思った方は、こちらの記事をご覧ください。
https://www.sumidakumin.com/passivemanagement/
日経平均株価
日経平均株価は、1950年より算出が開始された株価平均型の指数です。東京証券取引所第一部に上場する約2,000銘柄のうち、業種のバランスを考慮の上で選定された225銘柄が対象です。
対象銘柄は毎年1回、10月初めに見直しが行われます。
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?cid=7&idx=nk225
構成銘柄(2021年2月26日時点)
構成銘柄別に見ると、1位のファーストリテイリングがなんと13.05%も占めています。上位10銘柄で40%強を占めていますので、株価の高い銘柄の影響を大きく受けることが示されています。
セクター別(業種別)に見ると、「技術」が47.15%と約半分を占めています。(業種のバランスを考慮して選定されるはずなのですが、、、)
構成銘柄、業種いずれも偏りがあります。
指数推移
日経平均株価の過去の推移は下図の通りです。1989年のバブル期に最高値(38,957円)を付けた後はしばらく冴えない動きが続きました。2013年の第2次安倍政権以降は回復を見せていますが、バブル時の過去最高値まで戻っていません。
(引用:Yahoo Finance)
TOPIX
TOPIXは、1969年より算出が開始された時価総額加重型の指数です。東京証券取引所第一部に上場する約2,000銘柄すべてが対象で、時価総額を表しています。
TOPIXは、1968年1月4日の時価総額合計を100ポイントとして計算されます。
https://www.jpx.co.jp/markets/indices/topix/index.html
構成銘柄(2020年3月31日時点)
構成銘柄別に見ると、1位のトヨタ自動車が3.67%を占めていて、1銘柄当たりの割合が低く抑えられています。業種別に見ても構成割合が飛びぬけて大きいものはなく、分散されています。
(引用:東京証券取引所 TOPIX ファクトシート 2020年3月31日)
指数推移
TOPIXも、日経平均株価と同様にバブル崩壊後はしばらく低迷していて、過去最高値まで戻しておりません。
(引用:東京証券取引所 株価指数ヒストリカルグラフ -TOPIX (東証株価指数)- 月足チャート)
日経平均株価とTOPIXの比較
算出方法の違い
日経平均株価は株価平均型、TOPIXは時価総額加重型の指数です。時価総額は株価に発行済み株式数を掛けて計算され、企業の価値を示し、企業買収の参考にされます。インデックス投資においては、時価総額加重型(日本株ならTOPIX)が一般的です。(なぜ時価総額加重型が好まれているかはいずれ記事にしたいと思います)
パフォーマンスの違い
直近10年のパフォーマンスはそれぞれ下図の通りです(青:日経平均株価、赤:TOPIX)。似たような動きではありますが、日経平均の方が上昇しています。
(引用:Yahoo Finance)
日銀の購入方針
ちなみに、2021年3月に日本銀行は、TOPIXの購入額を増やすことを発表しました。これによりTOPIXが下落した際には今まで以上に日本銀行が買い支えることで下落幅が小さくなることが予想されます。
(引用:日本銀行 ETFの買入れの運営について 2021年3月23日)
日本株インデックス投資の留意点
日本株へのインデックス投資を検討する際は、次の点にも十分留意しましょう。正直、自信をもっておススメできる理由はありません。
✅ バブル崩壊から20年以上経ったが株価は元の水準に戻っていないこと
✅ 人口減少が見込まれ経済成長の余地が限られていること
✅ ガバナンスに問題のある企業が散見されること
全世界株式に投資をした結果、一部日本が含まれているという程度に留めるつもりです。
まとめ
✅ 日本株は1989年に最高値を付けて以降回復していない
✅ 市場平均なのは、時価総額加重平均型のTOPIX
✅ 直近10年のパフォーマンスは、日経平均株価>TOPIX
✅ 日本銀行のETF買入れは、2021年4月よりTOPIXの割合が75%→100%
最後までご覧いただき有難うございました。