投資信託解説シリーズ。今回は、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のご紹介です。巷では「オルカン」と言われています。
王道の分散投資に最適の商品です。資産運用はこれ一本という方も多くいらっしゃいます。
この投資信託の特徴
- 株式100%の積極的な資産配分
- 日本、先進国、新興国の世界49ヶ国に分散
- 中・大型株3,000銘柄に分散
- 配当再投資型
- 低コスト
株式100%の積極的な資産配分
この商品は、MSCI All Country World Indexという、全世界の株式市況を表す指数に連動するように運用されます。
つまり、投資信託を通じて100%株式に投資をします。
世界49ヶ国に分散投資
投資対象国は、日本を含む先進国23ヶ国、新興国27ヶ国の合計50ヶ国です。
「全世界株式」と言いつつ、株式市場が整備されていない国は除かれているので、本当にすべての国を投資対象としているわけではありません。
対象国の明細や、構成割合は下図の通りです。
先進国が9割、その中でも米国が全税の6割を占めています。
中・大型株約3,000銘柄に分散投資
対象銘柄は、一定の条件を満たした上場企業のうち、大型株(時価総額上位70%)と中型株(時価総額中位15%)で、時価総額の合計85%が対象です。
銘柄数は約3,000銘柄にのぼります(2022年6月末時点:2,863銘柄)。
なお、構成銘柄は、毎年5月と11月の年2回見直しが行われ、定期的に入れ替わります。
値動きは激しめ
過去5年間の騰落率(=リスク=値動き)は、最小▲12.2%~最大56.5%、平均14.3%です。
リスクは大きいですが、その分大きなリターンも狙えます。
配当再投資型
この投資信託では、2018年に設定されて以降、一度も配当をしていません。自動で再投資をしてくれます。
税金は、配当金または売却益に対して発生します。
この投資信託では配当が行われないので、売却して利益を確定させるまで、税金を繰り延べることができます。
複利で運用していくことを考えると有利な設計です。
なお、目論見書の分配方針には、"信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針とします"と書かれています。
これは、配当を行わず、再投資することを意味しています。(法律の関係上、無配当を明記できないようです)
低コスト
この投資信託の売買には手数料は掛かりません。
保有している間、継続的に発生する信託報酬は0.1144%で、極めて良心的です。
純資産
純資産は右肩上がりに増加していて、2022年7月21日時点で6,054億円まで増加しています。
純資産が大きいと、基本的にコストは下がります。また、ファンドが途中で解約される可能性が低くなります。
参考:人気の全世界株式ファンドとの比較
全世界株式に投資できる投資信託で、人気の商品とオルカンを比較してみました(2022年7月21日時点)。
オルカンは低コストで、最も人気があります。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド | SBI・全世界株式インデックス・ファンド | SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | |
指標 | MSCI | FTSE | FTSE | FTSE |
設定日 | 2018年10月31日 | 2017年9月29日 | 2017年12月6日 | 2022年1月31日 |
信託報酬 | 0.1144% | 0.2020% | 0.1102% | 0.1338% |
純資産 | 6,057億円 | 1,946億円 | 664億円 | 111億円 |
なお、全世界の株式市況を表す指数は、オルカンが連動しているMSCI All Country World Index(以下「MSCI」)以外にも、FTSE Global All Country Index(以下「FTSE」)という指数があります。
FTSEは上場している小型株も対象で、世界の株式市場における時価総額の98%を対象としています。(MSCIは小型株は対象外で、時価総額の85%をカバー)
2つの指数の違いについてはこちらをご覧ください
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全世界株式の2つの指標の違いは?MSCI All Country World IndexとFTSE Global All Cap Index
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まとめ
この商品一本で、全世界の株式に分散投資ができます。投資の基本・王道を大切にしたい方にピッタリです。
この投資信託の特徴
- 株式100%の積極的な資産配分
- 日本、先進国、新興国の世界49ヶ国に分散
- 中・大型株3,000銘柄に分散
- 配当再投資型
- 低コスト