働かずに資産運用だけで生活していく。
そんな不労所得だけで生活していく目安となる4%ルールをご紹介いたします。
トリニティ大学の研究(1998年)
最も有名なのは、退職金を運用しながら持続的に取崩す方法を研究した米トリニティ大学の論文です(1998年、「トリニティ・スタディ」)。
1925年から1995年までの70年間の株式市場と債券市場の価格データを用いて、退職金から毎年一定額を引き出しつつ、残りの資金をそのまま運用していた場合、資産額がどうなるかを調べました。
取崩率4%のとき30年後に資産が残る確率は95%
様々なシミュレーションの結果、株式50%、債券50%のポートフォリオで運用した場合、取崩率が4%なら30年後に資産が残っている確率は95%との結論が導き出されました。
ここから、資産額の4%以下で生活できれば働かなくても生きている→生活費25年分の資産を築けば経済的独立だ、と言われるようになりました。
トリニティ・スタディでは、30年後に資産が残っているどころか、多くのケースで資産が増えていて、平均値・中央値では5.2倍に成長していました。
注意点1. 失敗する確率が5%ある
成功確率95%の裏返しは「失敗する確率が5%」です。
特に引退直後に市場の暴落が起きてしまうと成功確率が大きく下がってしまいます。
インデックス投資では市況暴落時に投げ売りをしてしまうと、その後の回復局面の恩恵を受けられないためリターンが大きく下がります。
市況の暴落時をいかにやり過ごせるかが成功できるかのポイントです。
注意点2. 日本人には為替リスクがある
人生100年時代。リスクを嫌って投資をしないことが本当のリスクなのかもしれませんね。
4%ルールのポイント
- 退職金を運用しながら持続的に取崩す方法を研究した「トリニティ・スタディ」
- 株式50%:債券50%で運用(それぞれS&P500、長期高格付社債)
- 取崩率4%のとき30年後に資産が残っている確率は95%
- 生活費25年分の資産を作れば経済的に独立
1994年・William Bengen 氏の研究論文はこちら
1998年・トリニティ・スタディはこちら
https://earlyretirementnow.com/2016/12/07/the-ultimate-guide-to-safe-withdrawal-rates-part-1-intro/
トリニティ・スタディでは、
注意ポイント
- 株式:S&P500に連動するファンド
- 債券:高格付を有する米企業の長期社債に連動するファンド
という前提でシミュレーションされています。
ただし、日本で生活するなら日本円が必要ですので為替の影響が避けられません。為替レートの変動により、米ドルでのリターンと日本円でのリターンは異なる点には注意しましょう。
注意点3. 税金コストは考慮されていない
トリニティ・スタディでは、売却益に対する税金が考慮されていません。
日本では売却益に対して約20%の税金が発生します。税金も考慮すると実際の取崩率はもう少し低くなりそうです。
まとめ・参考文献
いまでは経済的自由の達成の目標として使われている「4%ルール」は、いかに資産を長持ちさせられるかという研究から応用されたものでした。
4%ずつ取り崩す時、資産運用をしなければ25年で資産はゼロになってしまいますが、資産運用をすることでその寿命を延ばすことができます。
人生100年時代。リスクを嫌って投資をしないことが本当のリスクなのかもしれませんね。
4%ルールのポイント
- 退職金を運用しながら持続的に取崩す方法を研究した「トリニティ・スタディ」
- 株式50%:債券50%で運用(それぞれS&P500、長期高格付社債)
- 取崩率4%のとき30年後に資産が残っている確率は95%
- 生活費25年分の資産を作れば経済的に独立
1994年・William Bengen 氏の研究論文はこちら
1998年・トリニティ・スタディはこちら
https://earlyretirementnow.com/2016/12/07/the-ultimate-guide-to-safe-withdrawal-rates-part-1-intro/