安い手数料と充実したサービスでどんどん顧客を獲得しているネット証券。
若い世代にとってはインターネットで手続が完結するネット証券は非常に便利で使い勝手の良さを感じますが、高齢者にとっては少々手続きが難しいかもしれません。
✔ 高齢者でも使いやすいネット証券は?
✔ 田舎に住んでる親が使いやすいネット証券は?
この記事では、二大ネット証券である楽天証券とSBI証券は、どちらが高齢者にとって使いやすいのかを、グループのネット銀行のサービスも踏まえて比較・分析しました。
なお、高齢者の資産運用は、バランス型の投資信託一本に投資し、お金が必要になったときに都度売却して引き出すことを前提としています。詳しくは前回のブログをご参照ください。
結論:おすすめは楽天証券
高齢者におすすめできるのは、ずばり楽天証券です。その理由は、
① サイトが見やすく使いやすい
② 資金移動がシンプル
③ 楽天銀行の金利は住信SBIネット銀行の10倍
の3点です。
ネット証券を利用する上で、ネット銀行の活用は欠かせないよ。
2社の違いについて、詳しくご紹介していきます。
共通点①:豊富な投資信託の取り扱い
楽天証券もSBI証券も、ネット証券でトップクラスの投資信託の取り扱いがあります。(2021年9月時点で、楽天証券:2,682本、SBI証券:2,642本)
もちろん、私が老後の資産運用でおすすめしているニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)はどちらの証券会社でも購入することができます。
投資信託以外の取り扱いも豊富で、各種手数料もこの2社は最安クラスだから、投資やネット証券に慣れて積極的な運用をしたくなったときも問題ないよ。
共通点②:グループのネット銀行と連携したサービスを提供
楽天証券は楽天銀行(マネーブリッジ)と、SBI証券は住信SBIネット銀行(SBIハイブリッド預金)と連携することができ、連携すればネット証券⇔ネット銀行の間の資金移動が自動で行われます。
投資信託を購入する際、証券口座の残高が不足していたとしても銀行口座から自動で入金されますし、証券口座に余っているお金は自動で銀行口座に出金してくれます。
【楽天銀行 マネーブリッジ】
【住信SBIネット銀行 SBIハイブリッド預金】
共通点③:コンビニ・ゆうちょのATMが利用可能
楽天銀行、住信SBIネット銀行どちらもコンビニ・ゆうちょのATMを利用可能ですので、田舎に住んでいたとしても入出金で困ることはなさそうです。
ちなみに、楽天銀行では、三菱UFG銀行、みずほ銀行のATMも利用可能です。
【楽天銀行で利用可能なATM】
【住信SBIネット銀行で利用可能なATM】
理由①:サイトが見やすく使いやすい
ここからは楽天証券をおすすめする理由を紹介していきます。
一点目は、サイトの見やすさです。高齢者が使う上で、サイトの見やすさや分かりやすさは極めて重要です。この部分では、圧倒的に楽天証券が良いと思います。
どちらのネット証券もアプリを提供していないよ。直接ホームページにアクセスしないといけないよ。
理由②:資金移動がシンプル
銀行口座⇔証券口座の資金移動はどちらも自動で行うことができますが、住信SBIネット銀行の場合、連携可能なSBIハイブリッド預金は、普通預金口座と別の口座になりますので、ATM入出金の前後には普通預金とSBIハイブリッド預金との間で振替の手続きが必要になります。
その点、楽天銀行は普通預金口座が証券口座と直接連携していますので、手間が少なく済みます。高齢者にとって手間が少ないことも重要な要素です。
【住信SBIネット銀行 SBIハイブリッド預金】
理由③:楽天銀行の金利は住信SBIネット銀行の10倍
マネーブリッジやSBIハイブリッド預金を設定すると、ネット銀行での金利が優遇されます。
一般的な預金金利は0.001%ですが、住信SBIネット銀行では0.01%、楽天銀行では0.1%の金利になります。
高齢者はリスク許容度が低く現預金を厚く保有していることを考えると、この10倍の金利差はバカになりません。
300万円預けたら、1年間で利息が0.3万円もらえるってことだね(税引前)。
補足:ネット振込・ATM無料利用回数の優遇
楽天銀行、住信SBIネット銀行では、預金残高等に応じた優遇サービスを受けられます。具体的には、ネット振込の無料回数、ATM利用の無料回数です。
今回の検討では、高齢者は預金を厚めに確保し、預金はネット銀行で運用しているという前提で、預金残高300万円以上の場合の受けられる優遇サービスで比較することにします。
住信SBIネット銀行の方が優遇回数は多いのですが、高齢者の使用頻度を考えると楽天銀行の優遇回数(振込3回、ATM7回)でも十分だと思います。
ちなみに、預金残高が300万円未満のとき優遇サービスは次の通りです。300万円未満の場合は、住信SBIネット銀行の優遇の方が安心できるかもしれません。
楽天銀行 ハッピープログラム | 住信SBIネット銀行 スマートプログラム | |
会員ステージ・ランク | 預金残高100万円以上:VIP 預金残高10万円以上:プレミアム | ランク2 |
ネット振込無料回数 | 預金残高100万円以上:月3回 預金残高10万円以上:月2回 | 月5回 |
ATM無料回数 | 預金残高100万円以上:月5回 預金残高10万円以上:月2回 | 月5回 |
まとめ
サイトの見やすさ、資金移動の簡単さ、預金金利を考えると、楽天証券がおすすめです。
楽天証券 | SBI証券 | |
サイトの見やすさ | ◎ | △ |
アプリ | なし | なし(投資信託用のアプリなし) |
手数料 | 最安クラス | 最安クラス |
投資信託取扱 | 2,682本 | 2,642本 |
ネット銀行 | 楽天銀行 | 住信SBIネット銀行 |
口座連携 | あり(キャッシュスイープ) | あり(SBIハイブリッド預金) |
資金移動 | 不必要(自動) | 必要(普通預金⇔SBIハイブリッド預金) |
預金金利 | 0.10% | 0.01% |
ATM | コンビニ、ゆうちょ、メガバンク | コンビニ、ゆうちょ |
ネット振込無料回数 | 月3回 | 月10回 |
ATM無料回数 | 月7回 | 月10回 |
人生100年時代。お金の心配をしなくて済むよう、ネット証券を活用して上手に資産運用をしていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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